マゾじゃないと寝取られをオカズにできないの?

寝取られ好きはマゾらしいけど、ホントですか?

寝取られを簡単に説明すると、自分*1以外のキャラとヒロインがSEXをすることである。
もう少し詳細に定義するなら主人公以外との交歓によってヒロインは性的快感を覚える、また主人公から心を離していく過程・結果のこと。
これを踏まえてウィキペディアでは次のように定義している。

寝取られの傾向の人

最初に示したように、寝取られは自分が好意を寄せたり愛情関係を持つ異性が、他の異性と性行為をするといったことに対して性的興奮を覚えることを主に指す。「マゾ」の語源で有名な小説家のマゾッホも自分の妻に姦通を行わせ、それによって性的快楽と興奮を得ていたことから、寝取られもまたマゾの一要素と見ることができる。

多くの人がそうであるように寝取られの傾向を持つ人もまた、配偶者や恋人が他の異性と交わることについては精神的苦痛を持つことが多い。ただしその精神的苦痛自体に、あるいは自分の大事な人が他の異性と交わることに対して性的興奮を感じるところが、寝取られ傾向がない人との違いである。18禁ゲームで寝取られを主軸にしたゲームにおいても、主人公となる人物は妻や恋人を寝取られる側の人であり、彼女らの淫らな姿を何らかの形で見せ付けられるというところに要点を置くものが多い。

(寝取られ - Wikipedia)


突然だが私はMではない、むしろSである。
調教ゲーが好きだし、エロシーンも主人公が受身なのよりも積極的なものがいい。*2
主導権を男キャラが握ったエロシーンがいい。
傷をつけられたり、いたぶられるのなんて大嫌いだ。
だけれども寝取られモノで興奮するし、オナニーも出来る。
そう考えていくとウィキペディアでは寝取られをマゾの一種と表現しているけれども、ただマゾの一言で括るのは本筋からずれているのではないかと私は思っている。

独占欲を元に寝取られを考えてみる

そもそもエロゲーでは「ヒロインは主人公のもの」*3というのが暗黙の了解として成り立っていて、ここから外れたシチュエーションであれば寝取られにカテゴライズされる。
そう考えるとヒロインに対する執着・独占欲がエロゲーにおける性的興奮の根底となっていて、そこから各シチュエーションへと派生していく形になっている。
しかし、ヒロインに対する執着・独占欲はあくまでもカレーでいうところのスパイスの一つにしか過ぎない。
例えば調教ゲーなら、独占したヒロインを如何に自分好みに作り変えるかという創作欲(?)が生まれ熟成され、やがて性的興奮を覚え、ここで初めてご飯と一緒に食べられるカレーのルーすなわちオカズとなる。


ならば寝取られはどうか。
普通のエロゲーのカテゴライズから外れた作品が寝取られになるのであれば、自分の手元にあるものを他人に託すことで自分では生み出せないヒロインの姿を他人によって見出してもらう、いわば「価値の再発見」が寝取られの根底ではないだろうか?
ただし、この「価値の再発見」は「ヒロインの放棄」ではなく、ヒロインを独占したいという感情を持ちながら行われるという点に注意しなければならない。
例えば全く何の感情も抱いていないキャラが他の男性キャラと付き合っても寝取られだとは思わない。
寝取られはそのキャラに対して執着心・独占欲を抱いているからこそ成立する。
これらを元に寝取られの性的興奮の元を考えると「独占欲の一つの形、もしくは裏返しの欲求」だということになる。
しかし、そこにマゾが必ず絡まなければいけない道理はなく、もし絡むとなればルーとして熟成させる過程に投入されるスパイスの一つとしてではないだろうか。
また、独占欲をどう発散させるかで調教ゲー・寝取りゲー・寝取られゲーなど各ジャンルへと分散していくのならば、やはり単純に「寝取られ=マゾ」が成り立つとは思えない。

マゾじゃなくても寝取られをオカズにできる

「寝取られに性的興奮を覚えるのならばマゾ」の定義は前提と結果が間違っており、正しくは「寝取られを好むのがマゾに多い」、もしくは全く相関関係のない事象ではないだろうか。
寝取られはマゾだけの性癖ではない。

*1:主人公

*2:時と場合によるけど

*3:言い方は悪いが