初心者のためのエロゲー講座 改訂版 「1.エロゲーを買う前の心構え」

文責:魔法使い


こんにちは、初めまして。
エロゲーを買う前の心構え」を担当させていただきます、魔法使いと申します。
初心者の方と共に、歴戦の猛者の方々に見守られていると思うと些か緊張しますが、どうぞ宜しくお願いします。



早速ですが、尋ねてしまいます。


あなたにはどんなエロゲーがプレイしたいのかという、ある程度のビジョンがありますか?


おありでしたら、この「エロゲーを買う前の心構え」の項は飛ばしても大丈夫でしょう。
むしろ、読むのを飛ばした分、エロゲーをプレイできる時間が増えたりします。
けれども、もしそれがモヤモヤとしていて、例えば、「本を読もうと思って本屋さんに入ったはいいが、どれを買ったらいいかわからない」「レンタルショップの膨大なDVDを前に戸惑っている」のだとしたら、もしかしたら、少しだけお力になれるかもしれません。
ここは、そんなお話です。



では、本題に。
……行きたいところですが、その前に、まずは「心構え」なんて大仰なもの、必要ないことをお伝えします。
とか書いたら主催者様に怒られそうですが、まあ肩肘張ってエロゲーを探す必要なんてないということです。
ゆっくり、ゆるーく、いきましょう。
そして、どうせなら、その「探す」という行為自体を楽しんでしまいましょう。
……随分と無駄な文章を連ねてしまいましたが、ここから一応本題に入ります。


まず最初に……というか、結局あなたを振り分けるのは、「どうしてエロゲーをやろうと思うのか」、その一点に尽きます。
アニメや漫画などでエロゲーが原作のものに触れ、興味が湧いたからでしょうか。
コンシューマーゲームの延長線上にエロゲーを見出したからでしょうか。
それとも、ニ次元美少女に魅せられてしまったから?
もしくは、ニコニコ動画などの影響か、はたまたオタクの世界を覗いてみたかったから……。
理由は様々でしょう。
……性欲を持て余す?大いに結構。
だって、エロゲーですもの。
当たり前ですが、それこそが、あなたがプレイすべき作品群のヒントとなります。


「こんなジャンルをやりたい」「こんなお話が読みたい」「こんな女の子がいるゲームがやりたい」「こんなエッチが沢山みたい」etc...。
先ほどの、「どうしてエロゲーをやろうと思うのか」と併せ、ちょっと考えてみましょう。
……何となくですが、自分がプレイしたいものが見えてきたと思います。
それをより明確にする作業を繰り返すことで、きっとあなたがプレイしたい作品に辿り着くことができます。*1



さて、これで方向性も決まったことですし、大手を振ってお薦めエロゲーの購入に踏み切りましょう。
理想・好みを基準に選んだのですから、めくるめく恍惚の世界をお約束……なんて、とてもできません。
考えてもみましょう。
小説であれ映画であれ、駄作は必ず存在します。
味噌ラーメンが好きだからといって、全ての味噌ラーメンを美味しく頂ける筈がありません。
むしろ、好きなものだけに、余計に不満が漏れる可能性だって十分あります。
また、全米興行収入第一位であろうが、直木賞を受賞していようが、それがあなたにとっての良作になる保障はどこにもありません。


だから、最終的にはあなたがやって、あなたが判断するしかありません。


こうして「初心者のためのエロゲー講座」の記事を書かせていただいている者としてあるまじき発言ですね。
お薦めエロゲーを挙げる者として負け*2を意味しているのかもしれません。
しかし、現在、商業作品だけで数千、同人作品も含めればもしかすると万を超えるようなエロゲータイトルの中に、「万人が褒め称える」なんていうものは、残念ながら唯一つとして存在しないのです。
絵・文・音などといった構成要素に、好み・価値観なんていうごく個人的なものが深く関わりあって、エロゲーはその良し悪しを判断されるからです。


だから、できるだけプレイをして下さい。
そして、見つけて下さい。


エロゲーが決して安いものでなく、時間も食うだけに、このお願いは心苦しいものがあります。
けれども、エロゲーの懐は思っている以上に深く、あなたが求めるようなものがきっと存在します。
それらを掘り当てるためにも、一本や二本で判断するのではなく、できる範囲で良いので、色々と触れて欲しいと思うのです。



私の駄文はともかく、ここから先の項にて記載される文章、お薦めされるエロゲーは、全て良心から生まれたものです。
エロゲーが好きな人が、エロゲーに興味がある人に、できるだけ楽しんで欲しいという、ただそれだけの想いでできています。
しかし、先ほど書いたように、それは答えにはなり得ません。
あくまでアドバイスであり、ヒントの一つに過ぎないものです。


ですから、これは私の個人的なお願いなのですが、もしこの記事を見て何かを感じたら、いつでも良いので、「あなたの思う、あなたのおすすめ」を考えてみて下さい。
そして、できることなら、伝えて下さい。
エロゲーはその誕生から30年ほどしか経っておらず、非常に未成熟なメディアです。
まだまだ、情報が不足しています。
ゆえに、今、初心者としてエロゲーを前にしているあなたの意見は、とても貴重なものです。
個人サイトやブログはもちろん、投稿系サイトやTwitterで呟くのでも構いません。
あなたの言葉が、きっと次の初心者の道標となりましょう。
また、初心者でない方でしたら、是非、あなたの思う「初心者のためのエロゲー」をどこかでコメントしてみて下さい。
それもまた、価値のある判断材料の一つとなるはずです。



うだうだと長いこと書いてしまいましたが、こうしてエロゲーに興味を持っていただけたことを、一介のエロゲー好きとして嬉しく思います。
そんなあなたに贈る、「初心者の為のエロゲー講座改訂版」
ここに開幕です。
数多ある作品のうち、ほんの一部をプレイしただけの私たちですが、一回でも多く、あなたの右手にハンカチを、左手に数枚のティッシュを持たせることができれば、これ幸いというものです。


何はともあれ、素晴らしきエロゲーの世界へ、ようこそ。

*1:少し先の項になりますが、例えば、「とにかく可愛い女の子と戯れたい!」というのなら「萌えゲー」の、「推理小説のような物語を読みたい」のなら「ミステリー」のタグに結び付けて考えるようなものです

*2:≒逃げ