「とらドラ! 3巻」作者が「実は私おっさんなんです」と言っても驚かない、むしろ納得する
- 作者: 竹宮ゆゆこ,ヤス
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: 文庫
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見所
この巻の最大のポイントは前巻でこじれた竜児と大河の仲直り……ではなく、おっさんまる出しの文章。
「……黒乳首」
「えっ!?」
ダッシュしながら、大河がボソリと呟くのが聞こえた。
「あんたの黒乳首が、盲目に残ってむかついて仕方ないわ……っ!」
ギリ、と奥歯を噛み締めるようにしながら吐かれたその言葉は、つまり本日不機嫌なのは、竜児の乳首が原因だから、と。昨日のことなんかどうでもいい、なぜならあんたのことなんかどうでもいいから、と。
「……そ、そんなに黒くねえぞ……」
「黒いっ! あんたの乳輪のデカさに私の黒目が拡散しそうにドス黒いっ!」
え、うそ――ここにきて、新たに身体的コンプレックスが生まれる高須竜児・16の夏。
とらドラ! 3巻 47〜48ページより
ヒロインにこんなセリフ喋らすなよと(笑)
他にもこんなの。
「へーえ、そうなの。これじゃだめなの。なるほどぉっ! 休業中モデルのぉっ! 川嶋亜美さんはぁ! これじゃー毛がボーボーにはみ出してしまうんだとぉっ!」
とらドラ! 3巻 71ページより
浪漫もへったくれもありゃしません。
「もち、永久脱毛!」
サービスのつもりなのかなんなのか、完璧にツルツルになった脇の下までセクシーポーズで見せてくれる。
とらドラ! 3巻 79ページより
写真の中の大河は今よりも短い髪を後頭部でお団子にし、むすっとつまらなそうなツラでプールサイドに立っていた。
その水着姿の胸の部分には油性マジックで矢印が引いてあり、持ち主の野郎が書いたのか売り主の野郎が書いたのか、ごく端的に一言、『哀れ乳』……と。
とらドラ! 3巻 105ページより
発想がおやじ過ぎる。
普段は制服姿の身近な女子たちが、どんなスタイルをしていたのか。普段見ることのできない胸元の肌や、内腿や尻下や、脇の下……そんな部位がどんなふうになっているのか。一年のうちのこの時期だけは、誰でも平等に、合法的に楽しむことができるわけだ。特にこの学校のプールの時間はほとんどが遊びみたいなもので、面倒な検定だとか、何級がどうしたとか、そういうことは一切なし。これで体育の時間も潰れるのだから、大方の生徒にとっては一番楽しい時間なのだ。
とはいえ、もちろん女子は亜美や麻耶や奈々子だけではない。
「うむむ……10、10、15、20……あいつらのグループは低調だなー。もっと頑張ってくれよー」
だの、
「55、54……うーん、48。なんで女って、同じぐらいのかわいさレベル同士でつるむんだ? ま、きゃつらが平均てところだな」
だの、おのれ等のことは棚に上げての辛口採点の場合もある。
とらドラ! 3巻 105ページより
あるある、男の目線は大体こんな感じだよね(笑)
とにもかくにも思考回路にシンパシーを感じすぎて困ります。
この人本当は男なんではなかろうかというくらいに。
いやー、よくここまで男心を理解していますね。
素晴らしい。
さて、前巻から続いた竜児と大河の感情のすれ違いにも一応の決着がつき(?)、次巻は夏休みということで新しい展開に乞うご期待というところですね。
楽しみです。
今日の独身女教師
年下の後輩(彼氏持ち)からの微妙な嫌みにも耐え、学生時代の友人が次々と幸せをつかんでいる事実に焦り、カロリーの懸念すら忘れて自棄酒をあおり、とうとう同僚の気持ち悪い筋肉達磨の体育教師に手を出し始めました。
哀れ独身女性の悲哀ここに極まれり。
彼女はどこまで不幸になるのか。
幸せの青い鳥は彼女の前に現れるのか。*1
次巻も楽しみです。
*1:ムリナンジャネーノ