黄昏に煌く銀の繰眼 感想

黄昏に煌く銀の繰眼

黄昏に煌く銀の繰眼

ネタバレなし感想

ADV形式。
いわゆる催眠モノ。
お目当てのヒロインを選び続けていれば、ルート突入。
主人公の性格は無気力人間でしたが、繰眼の力を手に入れてからは日ごろの鬱憤が爆発したのか、やりたい放題。
鬼畜プレイもなんのその。


エロシーンの数は愛唯が9、双海・アシュリー・暁良・さら・くるみ・向日葵・玲・美奈子が8、その他が6。
ヒロインによって催眠で行うシチュエーションが異なっており、例えばアシュリーはアナル特化・暁良は痴女化等、それぞれに合わせたシチュに特化しています。
調教ゲーではないので、ヒロインは最初から繰眼の力で感じまくりです。
催眠を重ねるごとにヒロインの精神を弄って、主人公の好きなように変化させていっています。
作り変える方向性がヒロインの個性とマッチしていて、王道といえば王道。
EndingのほとんどはBad Endといっても差し支えなく、主人公に救いがあるのは2ルートだけです。
そのBad Endも凝っていて、シナリオだけ見ても楽しめる作品。
もちろん、エロシーンの質も高水準。


システムはいつも通りのCLOCKUP
抜きゲーのシステム周りは、ほぼCLOCKUPによって完成しているでしょう。
原画は二人いるのですが、塗りが統一されているせいか、さほど違いは分かりません。*1


残念だった点としては、ヒロインが多すぎて一人ひとりのルートが短いこと。
ヒロインを減らしてもいいので、凝ったシナリオ・Endingを生かせるように、もう少し繰眼の力で操る過程のボリュームを増やしてもよかったんじゃないかと。
作中では13日間の出来事ですが、実際には描写されていない日が何日もあります。
ヒロインが半分でも十分通用する作品なだけに、描写がとんでいるのはもったいなく感じます。
さらルートはシナリオ*2をもう少し膨らませた方がよかったでしょうし。



催眠好きには間違いなくお勧めでき、また陵辱ゲーに抵抗がなく、シナリオゲーが好きな人にもある程度満足してもらえる作品だと思います。
欠点もありますが、それを補って余りある魅力もありました。

雑感

催眠が完成したヒロインと、Endingに見せる繰眼の力の代償となったヒロインのギャップが悪趣味で、たまらなく素晴らしかったです。
特に主人公が予期せぬ代償を支払い、絶望するルートは清々しいものがありました。
清々しいといっても、主人公に対する因果応報に喜んでいるのではなく、「まさかこんな最後になるとは」と予期せぬ展開を楽しませてくれたからです。
好きなルートは双海と玲。
前者は主人公と双海の壊れっぷり、後者は最後のどんでん返しを評価しています。


いちおうHappy Endもあることはあるんですが……、中途半端、かつ、ご都合主義っぽくていやですね。
他のEndingとの兼ね合いも考えたら、主人公・ヒロインともども、完全に堕ちきった中での救いというような、「希望が残ってないわけではない」くらいの終わらせ方がふさわしいのではないかと。


OP曲の「spider」もなかなかかっこいいです。
先月発売された薬師るりさんのアルバムの中に、この曲も収録されているようです。

「colorful life」 / 薬師るり

「colorful life」 / 薬師るり

*1:見る人が見れば、分かるかもしれません

*2:というか彼女の設定